【印西市】日本の医療機器の歴史を訪ねて。「印旛医科器械歴史資料館」見学ツアーに参加してきました!

少し前になりますが、去る2023年3月13日(月)に、印西市舞姫にある「印旛医科器械歴史資料館」にて、日本の医療機器の歴史を学ぶツアーが開催されました。
このツアーは年に1回の開催で、定員15名とのことで早目にツアーに申し込み、参加をしてきました。
参加者は印西市内の他、近隣の市から来られている方もいました。

医科器械歴史資料館_外観「印旛医科器械歴史資料館」は、北総線の印旛日本医大駅のすぐ目の前にあります。
こちらの建物はもともとは消防署だったのだそうです。
1973年の日本医科器械学会第50回大会の時に、広く皆さんに歴史と価値のある医科器械を見てもらってはどうか?ということで、展示会を開催しました。のちにそれらを保存するために埼玉県春日部市にある泉工医科工業の工場の一部を利用し資料館を開設し、展示・保存していました。
その後、2007年に印旛村(現印西市)がこの資料館を誘致し、現在の場所に移転してきました。多くの収蔵品を置くには広いスペースが必要だったため、消防署の建物がちょうどよかったのだとか。

医科器械歴史資料館_印旛日本医大駅資料館の成り立ちや医療機器の歴史について、ビデオ上映会と座学説明会とで約1時間学んだ後、いよいよ館内の収蔵品の見学です。

医科器械歴史資料館_展示室江戸時代に世界で初めて全身麻酔による乳がん摘出手術を行ったのは「華岡青洲」という日本の医師でした。
それまでは、患者に焼酎を飲ませて酔わせ、眠ったところで外科手術を行っていたそうです。酔いが覚めた時にまだ手術中だったら一体どうなっていたのでしょうか。

医科器械歴史資料館_華岡青州その「華岡青洲」の外科手術器具(レプリカ)が展示されています。

医科器械歴史資料館_華岡青州手術器具こちらは江戸時代の殿様用の救急箱(本物)です。当時のものが残っているのがすごいですね。そして殿様用ということもあり立派な救急箱です。

医科器械歴史資料館_殿様用救急箱大正時代の聴診器です。現代のものとだいぶ形が違いますね。象牙製のものもあったのですね。

医科器械歴史資料館_聴診器手術用拡大鏡。国産の初期型モデルだそうです。実際にかけさせてもらったところ、大きくよく見えました。現代でも使えそうです。

医科器械歴史資料館_拡大鏡額帯反射鏡。お医者さんと言えば、これをつけているイメージですよね。

医科器械歴史資料館_反射鏡ちょっと、ギョッとしてしまうこちらは、眼科手術訓練器だそうです。

医科器械歴史資料館_眼科手術訓練器大正末期のレントゲン透視台。昔は木製だったのですね。

医科器械歴史資料館_レントゲンこちらは国産第一号の脳波計です。形がなんだか昔のオルガンみたいです。

医科器械歴史資料館_脳波計これ、何だと思いますか? 昭和初期の早産児保育器です。下に炭を入れて炭火で赤ちゃんを温めていたのだそうです。温度調節が難しそうですね。

医科器械歴史資料館_保育器炭火こちらは昭和7年頃の未熟児保育器です。こちらは下に水を入れて電気ヒーターで温める仕様だそうです。

医科器械歴史資料館_保育器電気ヒーター一見、食器棚か何かの家具のようにも見えるこちらは電気治療器です。左のシンバルみたいなところから静電気を発生させて患者に通電させて治療する機器だそうです。

医科器械歴史資料館_電気治療器こちらは手術台の一部で、胸の手術の際にうつ伏せにした時の胸と頭を乗せるための台になります。

医科器械歴史資料館_手術台戦時中の野戦用蒸気消毒車もありました。陸軍の野戦病院用として製造され熱源は薪とのこと。

医科器械歴史資料館_野戦用蒸気消毒車胃カメラを世界で最初に開発したのは日本なのだそうです。オリンパスが日本で最初に胃カメラを開発しました。
下の木箱のものは胃カメラが開発される前の胃鏡です。これを口から入れるのは痛そうですね。
胃鏡→ 胃カメラ→ ファイバースコープと移り変わっていますが、今でもファイバースコープは胃カメラと呼ばれますね。

医科器械歴史資料館_胃鏡こちらは昭和30年代の人工心肺装置です。エクモと言えばわかるでしょうか。
このコロナ禍で人工心肺装置が有名になりましたが、もともとは心臓手術で使うもので心臓を止めている間に心臓に代わって人工的に酸素送り込む装置なのだそうです。

医科器械歴史資料館_エクモまた、こちらもコロナ禍でよく耳にしたかと思いますが、血中酸素飽和度を測定する機器のオキシメーターです。
現代のものは手の指先で測りますが、昔は耳たぶで測っていたのだそうです。当時は持ち運びもできませんでした。

医科器械歴史資料館_オキシメーター千点を超える収蔵品を1時間かけて解説付きで見学しました。写真でご紹介したのは展示品のほんの一部です。
見学ツアーでご説明いただいたのはこちらの日本医科器械資料保存協会の監事で資料館業務主任者の山沢さん。
とてもわかりやすいご説明で、医療関係者でなくても理解ができました。医療機器が進化し続けてきたことを知ることができました。
ちなみに、山沢さんのお話では、こちらの「印旛医科器械歴史資料館」の収蔵品のうち昔の医療機器を、NHKの大河ドラマ「いだてん」に貸し出しをしたのだそうですよ。
また、現在上映中の映画「銀河鉄道の父」にも貸し出したそうです。これからこの映画を見に行かれる方は映画の中に出てくる医療機器を見つけてみてください。

医科器械歴史資料館_山沢さんお時間を見つけてぜひ一度「印旛医科器械歴史資料館」を訪れてみてはいかがでしょうか?

開館日は、月曜・水曜・金曜日(祝・祭日と年末年始は休館)の10:00~16:00ですが、2023年7月・8月は土曜日も開館されるようです。
詳しくはホームページをご確認ください。

「印旛医科器械歴史資料館」はこちら↓

イチーバくん

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